2012年の夏から、固定価格買取制度(FIT)が始まり、これにより大手電力会社が再生可能エネルギーを高値で買い取る仕組みが出来ました。
それによる今年度の再エネに取り掛かる国民負担は総額2~3兆円と言われています。
さらにこの負担額は今後も上がり続け、2030年度では約4兆円にまで届く見込み!
時代は太陽光バブルからバイオマスバブルへ、時が流れても続いて行く再エネ問題についてご紹介します。
当初より10倍!再生可能エネルギー買取費用による国民負担
月々の電気料金の明細に「再エネ発電賦課金」という項目があるのをご存知ですか?
これは、国が再生可能エネルギー買取費用の一部を国民の支払う電気料金に毎月上乗せしているものです。
地球温暖化の為にも太陽光発電に期待する方も多いとは思いますが、太陽光発電の普及のために国民はどこまで負担できるのでしょうか?
仮に一般的な家庭の電気料金で見てみましょう。
標準的な一般家庭の1ヶ月の電気料金を6,000円とします。
そのうち再エネ発賦課金はおよそ700円。
年間にしますと700円×12ヶ月=8,400円となります。
決して少ない額ではないですよね。
制度が始まった5年前は毎月50円程度で済んでいたことから考えると、約10倍以上と異常な膨らみを見せていることが分かります。
後処理に追われる太陽光バブルと膨れ上がるバイオマスバブル
まず、FITによる買取対象となる再エネの今年3月現在の内訳を下記に挙げてみます。
- 太陽光(非住宅用):7,900万KW
- バイオマス:1,240万KW
- 風力:700万KW
- 太陽光(住宅用):550万KW
- 中小水力:110万KW
- 地熱:9万KW
まさに太陽光バブルとしか言いようのない結果ですが、国は太陽光の買取価格を当初より大幅に引き下げたり、大規模設備であるメガソーラーには今年度から入札制を導入したりと、想定を超える勢いで増えた後処理に追われています。
一方、バイオマスの買取価格は、あまり増えてこなかったことから、今までほとんど下げられてきていません。
しかし、昨年から今年にかけて「木質バイオマス」のFIT認定が激増し、2030年のバイオマス導入目標の2~3倍にまで膨れ上がって、今度はバイオマスバブルを引き起こしています。
これについても国民負担は最高8兆円になる予想です。
ですが、残念なことに、これほどまでの費用を注ぎ込んだとしても、2030年時点の電源構成に占める太陽光、バイオマスの割合は合わせても10%程にしかならないのです。
よって、バイオマスに関しても、太陽光と同様に大規模設備への入札制の導入や小規模設備の大幅値下げを行うべきとの声が挙がっています。
このような対策により、国民の負担が少しでも減るように祈るばかりですが、今後ますます問題は膨れ上がっていくと予想されます。
下がる買取価格と増える太陽光を手放すオーナー
太陽光発電がここ数年で爆発的に普及した理由は、税制優遇により節税効果が高かった事が一番に挙げられます。
よって、手放す理由も節税の目的が達成されたというものが多いですが、今回ご紹介した通り、買い取り価格が下がったことにより、売電価格が高い時期に始めた自分の太陽光発電所に高値が付くうちに売却される方もいらっしゃいます。
福島県郡山市の太陽光発電所売却・買取サポートでは、このような理由で太陽光発電所を手放すオーナー様とこれから太陽光発電を始めたいオーナー様の橋渡しをしています。
売却後のアフターフォローも万全ですので、売却を検討されている際はぜひ一度ご相談下さい。